未成年者の立場
未成年者と親権者
民法では、未成年者は「単独で契約等はできない」とされ、「親権者が法定代理人として、代わって契約等をする」とされています。
示談を結ぶのも、弁護士に依頼するのも、契約です。このため、未成年者が交通事故に遭った場合、示談交渉や、弁護士との契約は、親権者が代理することになります。
父母の共同親権の場合は、両名とも契約書にサインする必要があります。
父・母どちらかの単独親権の場合は、その方のサインでOKです。
未成年とは
民法上、未成年とは20歳未満のことです(法律改正の話がありますね)。
ただし、実は20歳未満でも、婚姻すれば成人扱いとなります。
つまり、18歳以上の男子、16歳以上の女子は、結婚届で「みなし成人」となるのです。「成年擬制」(せいねんぎせい)と呼ばれる制度です。
民法上だけの取扱いです。選挙権は付与されないし、飲酒・喫煙はダメです。一旦「みなし成人」となったら、離婚しても未成年には戻りません。
注意事項
示談交渉や裁判手続の途中で、本人が成人する場合がありますが、その場合、弁護士との契約を、本人の名前で更新する必要があります。示談についても、本人の名前で締結することになります。
本人が脳障害・意識障害で判断能力を失っている場合は、未成年のうちは父母が親権者として代理できますが、成人すると代理できません。
成人したときは、家庭裁判所に「成年後見人」選任を申請する必要があります。