後遺障害の手続

目次

後遺障害診断書の取得

後遺障害は、自賠責(自動車賠償責任保険・共済)が認定するのが実務です。
自賠責とは、平たく言うと「公的な保険組織」のようなものであり、調査機関も持っていて、後遺障害について公正・客観的に評価する任務を担っています。

そこで、症状固定になったら(症状固定を受け入れたら)、自賠責所定の「後遺障害診断書」書式を入手し、主治医に渡して書いてもらいます。

診断書の書式は、相手の保険会社からもらってもいいし、法律事務所でももらえると思います。
一応、PDFで貼っておきます。これを並べてA3用紙に印刷(複写)すれば、使えます。
【参考】後遺障害診断書の書式 1頁 2頁

自賠責への提出

後遺障害診断書ができあがったら、自賠責に提出します。
提出方法には、次の2つがあります。

  1. 相手の保険会社を介して提出する(事前認定という手続になる。)
  2. 自賠責に直接提出する(被害者請求という手続になる。)

このうちの方が、手間がかからず楽です。
でも、手続の一部とはいえ、相手の保険会社が関与することになりますから、保険会社と揉めているとき(揉めそうなとき)や、違和感が残るときは、の方が無難でしょう。

異議の申立てなど

後遺障害の認定は、残念ながら、ブレることがあります。
非該当(後遺障害なし)とされたり、低い等級が認定された場合には、異議の申立てができます。
申立て先はやはり自賠責ですが、異議に対しては、よりつっこんだ調査・審査がされますので、結論が変わる場合も少なからずあります。

ちなみに、異議の申立てには回数制限はありません。もっとも、新証拠を提出する等しない限り、単に繰り返しても時間の無駄です。

また、自賠責の判断にどうしても納得できない場合は、例外的ですが、次のような方法もあります。

  • 自賠責への異議の代わりに、「自賠責保険・共済紛争処理機構」という別系統の組織に認定を申請する方法があります。
  • 裁判を提起して、「自賠責の基準では後遺障害にあたらなくとも、実質的に後遺障害として評価すべきレベルの症状が残存している」と訴えていく方法もあります。

異議にしろ、その他の手続にしろ、弁護士の弁護(サポート)がないと難しいでしょう。その後の示談交渉でも弁護士がいた方がいいので、依頼を検討してください。
まずは法律相談で、詳しく話を聞くといいと思います。