【8/31】カルテ開示に高額手数料ダメ,指針改正へ


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(読売新聞2010年8月31日より)
 患者や家族からカルテの開示を求められた際,高額な手数料を求める医療機関があるため,厚生労働省は,実費のみの徴収とするよう,診療情報提供指針を改正する。
 改正指針は9月にも都道府県を通じて医療機関に通知される。

 カルテなど診療記録は,2005年4月の個人情報保護法施行で患者への開示が義務化された。しかし開示費用は医療機関まかせで,現行の指針は,「開示に要する費用を徴収することができる」としているだけ。中には,コピー代などの実費に加え,1万円,5000円など高額な手数料を徴収する病院があり,患者団体などから「手数料が高額では開示請求しにくくなる」と批判があった。
 このため,厚労省は「診療情報の提供について医療機関の不適切な事例が見受けられる」(医事課)として指針の改正を検討。開示費用について「実費を勘案して合理的であると認められる範囲内の額としなければならない」との内容を指針に明記することにした。
 同時に,開示申請書に,請求理由の記入欄を設けたり,理由を尋ねたりすることを不適切とする内容も盛り込む。

 読売新聞が昨年11~12月,全国の主な病院に対し行った調査では,回答した186施設のうち36%(67施設)がコピー代以外に開示手数料を徴収していた。

 権利は,手続・システムを調えない限り,「絵に描いた餅」です。
 この発想は,法律家にとっては常識です。
 司法試験受験生にはお馴染みですが,刑事法におけるデュープロセスとか,憲法における二重の基準論など,法律論の中心にこの発想があります。

 実際,カルテ開示に難儀する局面は少なくありません。
 大型の施設は比較的マシなところが多いですが,某国立系病院でも,表面的には「患者様 云々」を権利を謳っているのに,実際には,手続面で高いハードルを設けているところがあります。
 個人病院・歯科医院に至っては,本当に,ひどいところもあります。カルテ保存していなかったり,難癖をつけて開示を拒否したり…。

 システムは,行政の役割です。
 是非,適切な指導をお願いしたいところです。

10月 30th, 2010 | Leave a Comment

【8/31】医療事故報告,過去最多を更新―医療機能評価機構調べ


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(キャリアブレイン2010年08月31日より)
 日本医療機能評価機構がこのほどまとめた医療事故情報に関する調査結果によると,医療事故の報告が義務付けられている国立病院機構や自治体所管の医療機関など273施設から昨年1年間に報告された医療事故件数は合わせて1895件で,これまで最多だった2008年の1440件を大幅に上回った。

 1895件の内訳を事故の程度別に見ると,「死亡」が156件(8.2%),「障害残存の可能性がある(高い)」が185件(9.8%),「障害残存の可能性がある(低い)」が562件(29.7%),「障害残存の可能性なし」が608件(32.1%),「障害なし」が305件(16.1%),「不明」が79件(4.2%)だった。

 事故の概要では,入浴や食事の介助などの「療養上の世話」が770件(40.6%)で最も多く,以下は,手術などの「治療措置」528件(27.9%),ドレーンやチューブ類による「医療用具等」165件(8.7%)などの順。

 発生要因(複数回答)では,「確認を怠った」531件(15.2%),「観察を怠った」520件(14.9%),「判断を誤った」500件(14.3%)が多く,以下は「説明不足」205件(5.9%),「連携が出来ていなかった」192件(5.5%),「技術・手技が未熟だった」165件(4.7%)などと続いた。

 同機構が実施している「医療事故情報収集等事業」では,04年10月から毎月,医療事故の報告が義務付けられている国や自治体,学校法人が所管する医療施設と,任意で情報提供する医療施設から上げられた医療事故の件数を集計・分析している。

 わずか273施設での,2009年中の医療事故の件数が1895件。 1施設あたり7件の計算です。
 2008年が1440件とのこと。2008年と2009年とで,事故増加の要因は見当たりませんので,事故が多くなったというより,積極的に報告されるようになったというだけでしょう。
 恐らく,2009年の1895件も,氷山の一角だと思われます。

 もちろん,これは273施設の結果。
 全国の数多の医療機関での総数は,それこそ膨大な数のはずです。

 実感として,膨大な医療事故のほとんどに,弁護士の関与はないと思います。
 弁護士がいかに縁遠いかを,痛感させられます。

10月 30th, 2010 | Leave a Comment

8月後半の医療事故


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今頃の投稿ですが…。

【8/25】熊本市医師会に賠償命令 患者死亡の過失認定
(熊本日日新聞2010年08月25日より)
 熊本市の熊本地域医療センター医師会病院で気管支ぜんそくと診断された同市の男性=当時(76)=が急性心筋梗塞で死亡したのは,医師が検査を怠って誤診したのが原因として,遺族が同市医師会に損害賠償を求めた訴訟の判決で,熊本地裁は25日,医師の過失を認め,2309万円の支払いを命じた。
 判決によると,男性は2003年5月29日夜,呼吸困難になり,同センターの救急外来で受診。気管支ぜんそくと診断され,治療を受けた。しかし,意識低下など症状が悪化。30日未明に別の病院へ転院したものの,6月1日に急性心筋梗塞で死亡した。
 判決理由で,長谷川浩二裁判長は「必要な検査を行わないまま,気管支ぜんそくと診断した」と医師の注意義務違反を認定。「急性心筋梗塞の治療が遅滞なく行われていれば,症状が悪化することはなかった」と述べた。

 心筋梗塞をぜんそくと誤診した事例。
 患者さんの症状が,心筋梗塞としては非典型的だったのかもしれません。裁判で,和解できずに判決まで至っているのは,心筋梗塞の発症時期が争点だったのかも。
 誤診の事例としては,珍しいケースです。

【8/26】医療事故死で賠償金1000万円
(asahi.com2010年08月26日より)
 藤沢市民病院は25日,2007年5月25日に藤沢市在住の男性(当時77)に対して起こした医療事故の損害賠償金として,1000万円を支払うことを決めた。
 事故は,有機リン中毒の治療を行った際に低血糖状態となったが,これに気付くのが遅れたため,高次脳機能障害が起きて意識不明となり,2009年3月4日に死亡したもの。
 当時使用していた血糖測定器が,この治療で使った有機リン解毒剤に反応し,正しい測定値を示さなかったことも原因の一つとみており,同病院は測定器製造会社にも負担を求めることにしている。

 医療事故と製造物責任との複合的原因で起こった事故のようです。
 責任を負うべき者が複数あるときには,なかなか和解(示談)は成立しにくいものですが,この事案では,病院側が決断したようですね。
 死亡事案としては賠償金額が低めですが,遺族側が譲歩した上で,早期決着を望んだ結果かもしれません。それでも,死亡から1年半が経っていますが。

【8/28】医療事故:がんの所見,見落とす 男性,治療遅れ死亡–県立がんセンター /新潟
(毎日新聞2010年8月28日より)
 ◇70代男性,治療遅れ死亡
 県立がんセンター新潟病院(新潟市中央区)は27日,新潟市の70代男性への検査で腎盂がんの疑いを見逃し,治療の遅れでがんが進行し,男性が死亡する医療事故があったと発表した。遺族とはすでに示談が成立し,県は約420万円の損害賠償を支払う方針で,9月県議会に議案を提出する。
 同病院によると,男性は07年7月,前立腺がんの治療で通院し,転移がないか調べるため,コンピューター断層撮影(CT)検査を受けた。検査後,泌尿器科の主治医が放射線科医から報告書を受け取ったが,所見に書かれた腎盂がんの指摘を見落とした。
 男性はその後,前立腺がんの治療だけを受けたが,08年8月の検査で腎盂の異常が分かり,約1年前のがん見落としが判明。腎盂がんの治療を始めたが,09年12月,腎盂がんの肺転移と呼吸不全で死亡した。

 言い逃れができない事故ですね。
 CTで,放射線科医師(読影の専門家)が所見を書いていたのに,主治医がそれを見逃している。どうしたものかと思うくらいのケアレス・ミスです。
 医療が人の手で行われるものである以上,この手の事案は,完全にはなくなりません。

【8/28】医療ミス:西尾市民病院,高熱治療で後遺症 女性患者に和解金200万円 /愛知
(毎日新聞2010年8月28日より)
 西尾市民病院は27日,医療ミスで市内の10代の女性に後遺障害が残ったとして,200万円を支払うことで和解すると発表した。
 病院によると,当時中学生だった女性は05年7月28日,市内で自転車に乗っていて車にはねられ,頭や胸などを強く打ち,搬送された。40・9度の高熱を出し,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌が検出され敗血症と診断された。右腕と左肩,両足首の動きが不自由になる後遺障害を負った。
 女性が加入していた損害保険会社が10年2月,後遺障害が残った責任を問い,車の運転手と市を相手取り,連帯して4249万円の支払いを求め,名古屋地裁に提訴した。
 市は「発熱した日に血液培養検査を実施せず,抗生物質の投与が遅れ,後遺障害を拡大させた可能性がある」と医療ミスを認め,損保会社に和解金200万円を支払うことになった。

 加害者が任意保険に加入していなかったのでしょうか。被害者が加入していた保険が,恐らく「無保険車賠償特約」で保険金を出したのでしょう。
 ひどい話です。任意保険に加入していない人(車)は,公道を走る資格がないと思います。

 保険会社が,医療過誤まで主張したのも,加害者に資力がないとの判断からでしょう。加害者から回収できないので,病院から回収しようとした。
 でも,和解金200万というのは,実質,敗訴ですね。ミスがあったとしても,寄与度が低い,という理屈です。

【8/28】医療過誤訴訟:5000万円支払いへ 船橋二和病院,患者側と和解 /千葉
(毎日新聞2010年8月28日より)
 船橋市二和東の船橋二和病院で04年,心臓疾患で入院中だった千葉市の男性(当時54歳)が手術中に死亡する事故があり,病院側が遺族に5000万円を支払うことで,26日に千葉地裁で和解が成立した。
 訴状などによると,男性は04年8月,左冠動脈狭窄のため動脈の狭くなった部分を広げる手術中,冠動脈に穴が開き死亡した。和解では医療ミスの有無には言及していない。

 手術中の手技のミス。 証明していくのは大変です。
 この事案でも,ミスの可能性はあるが,完全に証明されているとまでは言えない,という中での和解協議が為されたのだろうと推測されます。

【8/31】県立中央病院訴訟:がん死亡男性両親と和解金550万円で合意–県 /鳥取
(毎日新聞2010年8月31日より)
 がん検査を求めたのに担当医らが半年間にわたって行わなかったため,がんの発見が遅れて死亡した,として鳥取市の男性(当時18歳)の両親が県と県立中央病院の医師2人を相手取り,約9300万円の損害賠償を求めていた訴訟は和解することで双方が合意した。 鳥取地

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