福岡市・薬院駅前「アトラス法律事務所」のブログにようこそ!
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とかく 縁遠い 法律事務所。 でも実は 弁護士もスタッフも ごくごく普通な感じです...
【Posted in » 事故全般】
交通事故は,地震や火事なんかより はるかに身近な,遭遇する確率の高いトラブルです。
一旦,事故に巻き込まれたら,人生が危機に瀕することさえある。
誰しも,事故に備えた心構えを持っておくべきです。
交通事故は,保険会社,自賠責,社会保険,医療機関などが複雑に絡み合い,それぞれがステークホルダーとなっている領域です。 詳しく説明し出すと,ものすごく複雑になりますが,経験に基づいて,ごくシンプルにまとめてみましょう。
事故に備えた心構えとしては,概ね,次の3つに集約できます。
(1) 予め,十分な保険に入っておくこと
(2) 怪我をしたら,とにかく,治療に専念すること
(3) 面倒な手続や,先方との交渉は,弁護士に委ねること
もうちょっと詳しく説明すると,
(1) 十分な保険に入って,自衛しておくのが一番。 事故に巻き込まれるリスクって,決して小さくありませんから,事前の備えがもっとも大切です。
だからこそ,良い保険代理店との付き合いが重要です。 原則として,通販の保険は,お勧めできません。
(2) 事故で怪我をした時,最優先にすべきは,治療です。 そして,なるべく早期に,病院がかりの状態から卒業し,元の生活に戻ることが大切です。
だからこそ,良い病院にかかることが重要です。 原則として,整骨院・接骨院は,お勧めできません。
(3) 事故の加害者となったら,黙っていても自方の保険会社が動いてくれ,必要なら弁護士をつけてくれます。 でも,事故の被害者となった時は,自分で動かなければならない。
治療に専念するためにも,面倒な手続や,先方との交渉なんかは,すべて弁護士に任せた方がいいです。
司法書士や行政書士に相談することは,お勧めできません。
1つ1つ,解説していきます。 まずは,(1)の 十分な保険と保険代理店のこと。
初めに,加害者となるリスクを前提に,説明します。
自賠責は,法律で加入が強制されており,強制保険と呼ばれます。 きちんと車検を受けていれば,自賠責にも加入しています。
でも,自賠責は,支払基準が低く,支払限度額もある。 自賠責で足りない部分を補償するのが,民間の自動車保険です。 強制される訳じゃないので,任意保険と呼ばれます。
自動車保険って,基本的には,加害者になってしまった時の,被害者への賠償責任をまかなうものです。
任意,と言いましたが,それって,自己責任という意味です。
自動車の運転って,何百キロもある金属の塊を,高速度で進行させる行為です。 日常に溶け込んでいるために意識されませんが,本来,極めて危険な行為です。
自動車保険(任意保険)に加入しないで自動車を運転するなんて,社会人として失格です。
もし加害者となって,大きな事故を起こした場合,多額の賠償責任を負うことになります。
刑事責任も,問われます(自動車運転過失致死傷罪)。 最近は厳罰傾向が顕著であり,態様・犯情によって刑務所に行くこともあります。 真面目に培ってきた資産も,社会的地位,信用,将来も,すべて失います。
自動車保険(任意保険)に加入していれば,このようなリスクを回避できます。 重大事故でも,きちんと賠償責任を果たせば,実刑を免れる可能性があります。 相手方への対応・賠償も,保険会社が主導してくれるので安心です。
次いで,被害者になるリスクです。
上で述べたことの裏返しですが,加害者がちゃんとした社会人で,自動車保険(任意保険)に加入してあれば,ひとまず安心です。
保険会社によって対応の良し悪しがあるとしても,一通りの対応はしてくれますし,最終的に賠償責任を果たしてくれるのですから,助かります。
問題は,加害者が無保険の場合。
残念ながら,長引く不況の影響か,無保険者は少なからずいるようです。
こういった場合,責任追及していくにしても,時間と手間がかかります。
当面の治療費,当座の生活費などを確保するのは大変です。
対策として,1つは,社会保険を活用することで,ある程度カバーできます。
もう1つ。 かかる場合に備えた保険に入っておくことを,強くお勧めします。
自動車保険(任意保険)の,人身傷害特約です。
被害者になった時に,保険金が出ます。
以上を踏まえて,自動車保険の加入の仕方です。
代理店経由か,通販(ネットや郵便での保険加入)か?
断然,代理店を通して保険に加入することを,お勧めします。
通販が安いのは,(a)ローリスクの人だけを集めて運営していること,(b)代理店手数料が無いことが,主な理由です。
車種や年齢などによって保険金額が変わってきて,通販の方が高いケースもありますが,それは,(a)の理由によるものです。
通販は,統計的に事故を起こさない(とされる)人たちを集めて商売していますから,どうしても,事故対応の経験値や,バックアップ体制が,不十分になりがちです。
また,通販が安いと言っても,せいぜい数万円程度。 この差額は,代理店のアドバイス料,サービス料とも言えます。
アドバイス料 : 保険は,「契約した通りに出る」ものです。 契約していないものは,絶対,出ません。
大抵の保険約款は,細かな文字で,びっしり書かれています。 何がカバーされ,何がされないのか? リスクの適切なコントロールには,プロの助言を受けるのが安全・確実です。
サービス料 : たとえば,事故が起こった時に,携帯に登録してある代理店担当者に電話するのか,それとも,ダッシュボードから保険証書を引っ張り出して,通販保険会社のフリーダイヤルにかけるかの違いです。 事故でパニックになった時,フリーダイヤル先と「お名前は? 証券番号は?」といった やりとりから始めるなんて,最悪です。
更に,稀に起こるのが「保険がきれていた」トラブル。 ゾッとします。 自動車保険は1年更新ですから,必ず,更新の手続が必要です。 しっかりした代理店なら,確実に,更新手続を遂行してくれます。
自動車保険(任意保険)に入らないのは最悪です。 どうしても数万円の節約が必要な家計状況の方は,通販でも何でも,入れる保険に入るべきです。
ただ,弁護士として紛争解決の現場でつぶさに見ていての実感ですが,通販と代理店の差は,皆さんが思っているより,はるかに大きい。
事故が無いなら,安い方がいいでしょう。 でも,事故が起こった時には,その差は,数万円では効きません。
もちろん,代理店なら何でもいい という訳ではない。
しばしば代理店の方と話をする機会がありますが,ひとえに代理店と言っても,プロ意識には 天地の差があります。
必ず,担当者と話し,説明を受けて,十分な商品知識があることや,人柄を信頼できること等を確認してから,加入しましょう。
いずれにしても,保険でカバーされる範囲は,予め確認しておくといいです。
私が,自動車以外の事故の相談を受けたとき,まず助言するのは,「入ってる保険を全部調べてみて」ってことです(こんな時も,代理店に聞いたら一発ですが,通販だと自分で調べないといけません)。
たとえば,他人の車に同乗しているときの事故とか,自転車での事故なども,カバーされていることがあります。 知っていると,安心です。
さて,長くなったので,今回はこのあたりで。
11月 27th, 2011 |