松嶋菜々子の飼い犬が隣人咬み5000万円の裁判


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(NEWSポストセブン2012/03/01,抜粋・改変)

松嶋菜々子と反町隆史夫妻がこの超高級マンションで生活を始めたのは昨年春のこと。しかし,年末,夫妻はやむなくそこを出て行かざるを得ない状況に陥った・・・。
というのも,松嶋たちが飼っているドーベルマンが,隣に住んでいたA氏の妻を咬んでしまったのだ。家族が散歩させようとして玄関から連れ出したところ,ちょうど隣に住んでいたA氏の妻とはち合わせてしまったという。
この件はその後,反町・松嶋側とA氏側との間で示談が成立した。だが結局,A氏一家はこのマンションを引っ越してしまった。

昨年10月28日,A氏夫妻が住んでいた部屋の不動産仲介業者が反町・松嶋夫妻を訴えた。A氏は昨年7月1日から来年の9月30日まで,トラブルの起きたマンションに住む契約をしていた。しかしA氏が引っ越したため,不動産仲介業者にはA氏から払われるはずの賃料などがなくなってしまった,という主張だ。
裁判は現在も係争中だ。

松嶋と反町の愛犬は,きちんと調教を受け,日本警察犬協会の訓練試験にも合格している。理由もなく人に襲いかかるようなことはないと思われるのだが・・・。
訴えによれば,松嶋の犬は隣の家の扉が開き,出てきたA氏の息子に驚いて,咬みつこうとした。とっさにA氏の妻がかばったところ,太ももを咬みつかれてしまったという。

ゴシップ系のネタで恐縮ですが,示唆に富むので紹介します。
自動車事故以外で,他人にケガをさせてしまうケースって,そうそうないように思われるかもしれません。
しかし,現実には,結構,起こっています。
代表的には2つ。
1つは,自転車での事故。
もう1つは,ペットです。

どんなに調教された犬でも,自身に危害が加わろうとしたら,全力で反撃します。
それが誤解であっても。
特に集合住宅で大型犬を飼うのは,リスクがあります。
このようなリスクに備えるには,個人賠償責任保険(あるいは,自動車保険・火災保険等の個人賠償特約)に加入することが不可欠です。
リスクの程度を甘く見たらいけません。賠償額無制限で契約しておくべきです。

ときに,この事例では,直接の被害者との間では示談が成立しているようです。
なのに,被害者にマンションを貸していた業者が,損害を被ったとして提訴した。特殊なケースです。
確かに,すぐに次の入居者が決まる訳ではない。特に超高級(高額)の物件だと尚更でしょう。業者の立場で,損が出たのは事実でしょう。
では,その損を,誰かに転嫁できるかと言うと,また話は別です。
通常は,賠償請求するとしても,A氏に対してでしょう。もし,A氏の退去が契約違反にあたれば,請求が通る可能性もあります。
しかし,A氏に請求しない場合や,請求できないような場合に,飛び越えて,この女優さんに請求できるかとなると… ちょっと,一筋縄ではいかないような気がします。

 

3月 1st, 2012 | Leave a Comment

交通事故 当事者 心得 (1/3)


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交通事故は,地震や火事なんかより はるかに身近な,遭遇する確率の高いトラブルです。
一旦,事故に巻き込まれたら,人生が危機に瀕することさえある。
誰しも,事故に備えた心構えを持っておくべきです。

交通事故は,保険会社,自賠責,社会保険,医療機関などが複雑に絡み合い,それぞれがステークホルダーとなっている領域です。 詳しく説明し出すと,ものすごく複雑になりますが,経験に基づいて,ごくシンプルにまとめてみましょう。
事故に備えた心構えとしては,概ね,次の3つに集約できます。
(1) 予め,十分な保険に入っておくこと
(2) 怪我をしたら,とにかく,治療に専念すること
(3) 面倒な手続や,先方との交渉は,弁護士に委ねること

もうちょっと詳しく説明すると,
(1) 十分な保険に入って,自衛しておくのが一番。 事故に巻き込まれるリスクって,決して小さくありませんから,事前の備えがもっとも大切です。
だからこそ,良い保険代理店との付き合いが重要です。 原則として,通販の保険は,お勧めできません。

(2) 事故で怪我をした時,最優先にすべきは,治療です。 そして,なるべく早期に,病院がかりの状態から卒業し,元の生活に戻ることが大切です。
だからこそ,良い病院にかかることが重要です。 原則として,整骨院・接骨院は,お勧めできません。

(3) 事故の加害者となったら,黙っていても自方の保険会社が動いてくれ,必要なら弁護士をつけてくれます。 でも,事故の被害者となった時は,自分で動かなければならない。
治療に専念するためにも,面倒な手続や,先方との交渉なんかは,すべて弁護士に任せた方がいいです。
司法書士や行政書士に相談することは,お勧めできません。

 
1つ1つ,解説していきます。 まずは,(1)の 十分な保険と保険代理店のこと。

初めに,加害者となるリスクを前提に,説明します。
自賠責は,法律で加入が強制されており,強制保険と呼ばれます。 きちんと車検を受けていれば,自賠責にも加入しています。
でも,自賠責は,支払基準が低く,支払限度額もある。 自賠責で足りない部分を補償するのが,民間の自動車保険です。 強制される訳じゃないので,任意保険と呼ばれます。
自動車保険って,基本的には,加害者になってしまった時の,被害者への賠償責任をまかなうものです。

任意,と言いましたが,それって,自己責任という意味です。
自動車の運転って,何百キロもある金属の塊を,高速度で進行させる行為です。 日常に溶け込んでいるために意識されませんが,本来,極めて危険な行為です。
自動車保険(任意保険)に加入しないで自動車を運転するなんて,社会人として失格です。

もし加害者となって,大きな事故を起こした場合,多額の賠償責任を負うことになります。
刑事責任も,問われます(自動車運転過失致死傷罪)。 最近は厳罰傾向が顕著であり,態様・犯情によって刑務所に行くこともあります。 真面目に培ってきた資産も,社会的地位,信用,将来も,すべて失います。
自動車保険(任意保険)に加入していれば,このようなリスクを回避できます。 重大事故でも,きちんと賠償責任を果たせば,実刑を免れる可能性があります。 相手方への対応・賠償も,保険会社が主導してくれるので安心です。

 
次いで,被害者になるリスクです。
上で述べたことの裏返しですが,加害者がちゃんとした社会人で,自動車保険(任意保険)に加入してあれば,ひとまず安心です。
保険会社によって対応の良し悪しがあるとしても,一通りの対応はしてくれますし,最終的に賠償責任を果たしてくれるのですから,助かります。

問題は,加害者が無保険の場合。
残念ながら,長引く不況の影響か,無保険者は少なからずいるようです。
こういった場合,責任追及していくにしても,時間と手間がかかります。
当面の治療費,当座の生活費などを確保するのは大変です。

対策として,1つは,社会保険を活用することで,ある程度カバーできます。
もう1つ。 かかる場合に備えた保険に入っておくことを,強くお勧めします。
自動車保険(任意保険)の,人身傷害特約です。
被害者になった時に,保険金が出ます。

 
以上を踏まえて,自動車保険の加入の仕方です。

代理店経由か,通販(ネットや郵便での保険加入)か?
断然,代理店を通して保険に加入することを,お勧めします。

通販が安いのは,(a)ローリスクの人だけを集めて運営していること,(b)代理店手数料が無いことが,主な理由です。
車種や年齢などによって保険金額が変わってきて,通販の方が高いケースもありますが,それは,(a)の理由によるものです。
通販は,統計的に事故を起こさない(とされる)人たちを集めて商売していますから,どうしても,事故対応の経験値や,バックアップ体制が,不十分になりがちです。

また,通販が安いと言っても,せいぜい数万円程度。 この差額は,代理店のアドバイス料,サービス料とも言えます。
アドバイス料 : 保険は,「契約した通りに出る」ものです。 契約していないものは,絶対,出ません。
大抵の保険約款は,細かな文字で,びっしり書かれています。 何がカバーされ,何がされないのか? リスクの適切なコントロールには,プロの助言を受けるのが安全・確実です。

サービス料 : たとえば,事故が起こった時に,携帯に登録してある代理店担当者に電話するのか,それとも,ダッシュボードから保険証書を引っ張り出して,通販保険会社のフリーダイヤルにかけるかの違いです。 事故でパニックになった時,フリーダイヤル先と「お名前は? 証券番号は?」といった やりとりから始めるなんて,最悪です。
更に,稀に起こるのが「保険がきれていた」トラブル。 ゾッとします。 自動車保険は1年更新ですから,必ず,更新の手続が必要です。 しっかりした代理店なら,確実に,更新手続を遂行してくれます。

自動車保険(任意保険)に入らないのは最悪です。 どうしても数万円の節約が必要な家計状況の方は,通販でも何でも,入れる保険に入るべきです。
ただ,弁護士として紛争解決の現場でつぶさに見ていての実感ですが,通販と代理店の差は,皆さんが思っているより,はるかに大きい。
事故が無いなら,安い方がいいでしょう。 でも,事故が起こった時には,その差は,数万円では効きません。

もちろん,代理店なら何でもいい という訳ではない。
しばしば代理店の方と話をする機会がありますが,ひとえに代理店と言っても,プロ意識には 天地の差があります。
必ず,担当者と話し,説明を受けて,十分な商品知識があることや,人柄を信頼できること等を確認してから,加入しましょう。

 
いずれにしても,保険でカバーされる範囲は,予め確認しておくといいです。

私が,自動車以外の事故の相談を受けたとき,まず助言するのは,「入ってる保険を全部調べてみて」ってことです(こんな時も,代理店に聞いたら一発ですが,通販だと自分で調べないといけません)。
たとえば,他人の車に同乗しているときの事故とか,自転車での事故なども,カバーされていることがあります。 知っていると,安心です。

さて,長くなったので,今回はこのあたりで。

11月 27th, 2011 | Leave a Comment

【8/21】自転車事故:歩行者との事故,過失相殺認めず 自転車側に高額賠償


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(毎日新聞2010年8月21日より)
 自転車の車道走行ルールを厳格化するため道路交通法が改正された2007年以降,自転車で歩行者をはねて死亡させたり重傷を負わせた場合,民事訴訟で数100万~5000万円超の高額賠償を命じる判決が相次いでいる。
 これと並行して東京や大阪など主要4地裁の交通事故専門の裁判官は今年3月,「歩道上の事故は原則,歩行者に過失はない」とする「新基準」を提示した。

 自転車は道交法で「車両」(軽車両)と規定され,従来,原則 車道走行だが定着せず,歩道での自転車と歩行者の事故が急増。 このため2007年6月成立の改正道交法(2008年6月施行)で,歩道を走れる条件を明確にし,車道走行のルールを厳格化した。
 高額賠償が相次ぐ背景には,この厳格化を司法が酌み,加害者の自転車に厳しい態度で臨んでいることがあるとみられる。
 こうした流れの中,交通訴訟を専門的に扱う部署のある6地裁(東京,横浜,名古屋,京都,大阪,神戸)のうち,京都,神戸を除く4地裁の裁判官は今年3月,法律雑誌で誌上討論。 歩道上の事故については,道交法で自転車の走行が原則禁止され,通行できる場合も歩行者の安全に注意する義務があることから,「事故の責任は原則,自転車運転者に負わせるべき」で,運転者が児童や高齢者でも変わらない,との認識で基本的に一致した。
 「新基準」につき,あるベテラン裁判官は「各地裁は参考にしていく」と,その影響力を指摘。 別の裁判官は「自転車には非常に厳しいが,自転車の台数増加など事故の要素が多くなっていることを受けたものだろう」と評した。

 社団法人「自転車協会」の調べでは,全国の自転車保有台数は2008年3月時点で約6910万台。 最近10年で約398万台増えた。
 警察庁によると,2009年の自転車関連事故は15万6373件で,交通事故全体の21・2%を占める。 自転車事故の増減はこの10年ほぼ横ばいで,8割以上は対自動車だが,対歩行者事故に限ると,1999年の801件から2009年は2934件。 10年間で3・7倍に激増した。 自転車同士の事故も,2009年は3909件で,10年前の4・4倍に増えている。

 自転車側が過失の大きい「第1当事者」となった2万4627件のうち,未成年の占める割合は39・6%。 訴訟では13歳前後から賠償責任を負うとの判断が多く,未成年が高額な賠償を求められかねない実情が浮かぶ。 これらを含め,自転車側に法令違反があったのは,自転車事故全体の3分の2に及んだ。

 道路交通法で,自転車は,車両の一種です。 (1)13歳未満か70歳以上か体が不自由な人が運転する場合,(2)路上駐車があるなど車道や交通の状況からやむを得ない場合,を除き,原則として,車道(その左側)を走らなければいけません。
 自転車に乗る人にとっては危ない感じがするかもしれません。 また,車を運転する方から見ても,自転車は危なっかしいです。
 にもかかわらず,法が,自転車の歩道通行を原則禁止としているのは,何より,歩行者の安全を優先するためです。

 実際,危ない運転をする自転車をよく見かけます。
 記事によれば,歩行者との衝突事故,自転車同士の衝突事故が急増しているよう。 その原因の1つは,携帯電話だと思います。
 携帯電話で話しながら自転車に乗る人,ともすると,携帯メールを打ちながら乗る人を,よく見掛けます。 そりゃ,ぶつかります。

 この記事は,木鐸記事として,有意義です (本当は,歩行者事故急増の原因の分析まで,つっこんで欲しいところですが)。 ただ,若干,不正確な部分があります。
 実は,自転車事故で数千万円規模の損害賠償となるケースは,昔から,しばしば あるのです。
 歩行者等に衝突し,相手の怪我が重ければ,賠償金額は高額になります。 自転車であっても,衝突態様・転倒態様によって,大怪我を負わせることがあります。

 誰にも生じ得ることです。 自転車を運転する方は,重々,注意するのは当然ですが,それと併せて,是非,保険加入をお勧めします。

8月 24th, 2010 | Leave a Comment