処分取り消し訴訟:飲酒運転,免職は適法 最高裁,元県職員の上告棄却 /高知


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【Posted in » 労働問題

(毎日新聞3月3日)
酒酔い運転で物損事故を起こし,懲戒免職処分を受けた元県職員の男性(50)が,処分の取り消しを求めた訴訟で,最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は2日までに元職員の上告を棄却した。決定は2月28日付。

10年9月の高知地裁は,「処分は社会通念上妥当性を欠く」とし,元職員の処分を取り消した。しかし,昨年5月の高松高裁は「正常な運転ができない状態で,さらなる事故につながる危険性は高かった。公務員に対する信用を失わせた」として,処分の適法を認めた。
県などによると,元職員は県高知土木事務所の主任技師だった09年4月,土佐市内の居酒屋で飲酒後,車で帰宅途中,信号柱に衝突。基準値を超えるアルコール分が検出され,道交法違反(酒酔い運転)の疑いで現行犯逮捕された。

酒酔い運転の厳罰化の流れと並行して,酒酔い運転での解雇・免職事例と,その無効を争う裁判が多く起こっています。
しばしば最高裁まで争われ,最高裁はこれまで,「飲酒運転を一律に免職とする制度運用は硬直的すぎる」などとして,免職を無効とする判断を,再三,下しました。

そこに,今回の最判です。
この事例は,物損事故であり,人にケガを負わせた訳ではない。なのに免職され,最高裁も是認しました。

服務規程の内容や,その周知の程度,その他事案の具体的内容によるとは思いますが,いずれにしても,
酒酔い運転 = 免職
を肯定した最高裁判決のインパクトは絶大です。

実務に多大な影響を与えると思われます。

 

3月 6th, 2012 | Leave a Comment

松嶋菜々子の飼い犬が隣人咬み5000万円の裁判


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【Posted in » 事故全般

(NEWSポストセブン2012/03/01,抜粋・改変)

松嶋菜々子と反町隆史夫妻がこの超高級マンションで生活を始めたのは昨年春のこと。しかし,年末,夫妻はやむなくそこを出て行かざるを得ない状況に陥った・・・。
というのも,松嶋たちが飼っているドーベルマンが,隣に住んでいたA氏の妻を咬んでしまったのだ。家族が散歩させようとして玄関から連れ出したところ,ちょうど隣に住んでいたA氏の妻とはち合わせてしまったという。
この件はその後,反町・松嶋側とA氏側との間で示談が成立した。だが結局,A氏一家はこのマンションを引っ越してしまった。

昨年10月28日,A氏夫妻が住んでいた部屋の不動産仲介業者が反町・松嶋夫妻を訴えた。A氏は昨年7月1日から来年の9月30日まで,トラブルの起きたマンションに住む契約をしていた。しかしA氏が引っ越したため,不動産仲介業者にはA氏から払われるはずの賃料などがなくなってしまった,という主張だ。
裁判は現在も係争中だ。

松嶋と反町の愛犬は,きちんと調教を受け,日本警察犬協会の訓練試験にも合格している。理由もなく人に襲いかかるようなことはないと思われるのだが・・・。
訴えによれば,松嶋の犬は隣の家の扉が開き,出てきたA氏の息子に驚いて,咬みつこうとした。とっさにA氏の妻がかばったところ,太ももを咬みつかれてしまったという。

ゴシップ系のネタで恐縮ですが,示唆に富むので紹介します。
自動車事故以外で,他人にケガをさせてしまうケースって,そうそうないように思われるかもしれません。
しかし,現実には,結構,起こっています。
代表的には2つ。
1つは,自転車での事故。
もう1つは,ペットです。

どんなに調教された犬でも,自身に危害が加わろうとしたら,全力で反撃します。
それが誤解であっても。
特に集合住宅で大型犬を飼うのは,リスクがあります。
このようなリスクに備えるには,個人賠償責任保険(あるいは,自動車保険・火災保険等の個人賠償特約)に加入することが不可欠です。
リスクの程度を甘く見たらいけません。賠償額無制限で契約しておくべきです。

ときに,この事例では,直接の被害者との間では示談が成立しているようです。
なのに,被害者にマンションを貸していた業者が,損害を被ったとして提訴した。特殊なケースです。
確かに,すぐに次の入居者が決まる訳ではない。特に超高級(高額)の物件だと尚更でしょう。業者の立場で,損が出たのは事実でしょう。
では,その損を,誰かに転嫁できるかと言うと,また話は別です。
通常は,賠償請求するとしても,A氏に対してでしょう。もし,A氏の退去が契約違反にあたれば,請求が通る可能性もあります。
しかし,A氏に請求しない場合や,請求できないような場合に,飛び越えて,この女優さんに請求できるかとなると… ちょっと,一筋縄ではいかないような気がします。

 

3月 1st, 2012 | Leave a Comment

人身傷害条項についての最判


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【Posted in » 交通事故

最高裁判所第一小法廷・平成24年2月20日

【要旨】
1 人身傷害条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は,損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権を代位取得することはない。

2 人身傷害条項の被保険者である被害者に過失がある場合,保険金を支払った保険会社は,上記保険金の額と過失相殺後の損害賠償請求権の額との合計額が裁判基準損害額を上回る額の範囲で損害賠償請求権を代位取得する。

 

Xを被害者とし,Yを加害者とする交通事故で,
Xの損害積算額が金7828万円(a)で,過失が10%あり,XのYに対する損害賠償請求権(額)は金7045万円(b)であるところ,
Xは既に,自分の加入する自動車保険の保険会社Iから,人身傷害保険金5824万円(c)を受け取っている,
という事案。

XがYに対して提訴。
争点は,XがYに対して請求できる範囲。 すなわち,Xの請求権から,Iの代位取得部分を差し引いた残額が,いくらであるのか。

判旨は,Iの人身傷害条項の約款解釈として,
1 保険金はすべて元金に充てられる。
2 人身傷害保険は過失不問となっているので,まずは被害者の過失割合部分に充当する。
ということを言っているようです。

うち2に関し,Iが代位取得する(XがYに請求できない)金額について,次の計算式を提示しています。
(c) + (b) – (a)

 

なんか,金額が微妙で分かりにくいので,判例の事案をベースに,数字を入替えてみました。

たとえば,Xの損害が1000万円,過失が3割(300万円相当)とすると,Xの請求権は700万円である。
また,Xは,自身の保険会社Iから,人身傷害保険金400万円を受領した,とする。

この場合,Iが代位取得するのは100万円(=400+700-1000)のみである。
したがって,Xは,600万円(=700-100)を,Yに請求できる(別途,IはYに100万円を請求できる)。

充当計算としては,人身傷害保険金400万円を,まずはXの過失分(300万円)に充て,その残り(100万円)の限りでIに権利移転する,ということになります。
つまり,Xは,1000万円の損害のうち,過失分はIから保険金を受け取り,その余はYに請求する(ただしIから受け取った保険金のうち,過失分を超えた部分は,既払い金扱いとする)ということ。

要は,人身傷害保険金の無過失性を,被害者に不利にならないように斟酌したものだと思います。
(※ざっと読んだもので,不正確な要約かもしれません。)

 

人身傷害保険については,様々な論点があり,判例の蓄積が足りません。
基本的には事例判断ですが,最高裁判例の価値判断は,参考になります。

 

2月 22nd, 2012 | Leave a Comment