相続の注意点

交通事故で亡くなっても通常どおりに相続が起こります。
死亡事故は、弁護士に相談・依頼するべきだと思います。

目次

遺産分割

本人が交通事故で亡くなったときも、通常どおりに相続が起こります。
遺言書があればそれに従いますが、なければ、相続人全員で相続財産の承継について一から話し合うことになります。

多くの場合、(とりあえず賠償問題については)法定相続分で権利を承継した前提で、代表者が示談や裁判を遂行することになるでしょう。代表者は誰でもいいですが、被害者に最も近い方が適切です。
示談決裂なら裁判になります。裁判には「管轄」があり、交通事故の場合は、①被害者の住所地、②加害者の住所地、③事故発生地のいずれかです。裁判になるとは限りませんが、念のため管轄地に近い弁護士に相談・依頼するのが万全です。相続人の中でも、弁護士へのアクセスの良い方が代表者になるべきでしょう。

なお、相続人間で協力態勢が取れない場合は、対応が悩ましいですね。
弁護士に相談して、対策を考えましょう。

相続放棄・限定承認

想定される賠償金より、負債が大きい場合は、要検討です。
相続放棄や、限定承認といった方法で、負債の承継を回避すべき場合もあります。
限定承認というのは「資産・負債を清算して、プラスで残ったものだけを相続する」制度です。便利に見えますが、実際には手続上のハードルが高く、利用できる場合は限られます。

もし相続放棄や限定承認をするなら、①本人の死亡を知ってから3ヵ月以内に、②本人の最終住所地を管轄する家庭裁判所に、③申請書(申述書)を提出する必要があります。
難しい判断となりますので、早急に、弁護士に相談してください。

注意事項

相続人の一部に、未成年者、行方不明者、痴呆等で判断能力のない方などがいると、何をするにも手続が一手間かかります。
なるべく早く、弁護士に相談してください。